eSports専門学校の年間講師が終了!1年かけてeSportsビジネスを講義してみて感じたこと

2024年5月~2025年1月の期間、とあるeSports専門学校でeSportsビジネスを教える授業を担当しました。
1年を通して、無事最後まで担当授業を終わらせることができましたので、その感想と感じてみたことをお伝えしたいと思います。

オンラインで30コマを担当

お話をいただいた際、「30コマって多いなぁ…時間取れるかなぁ…大丈夫かなぁ…」という懸念が最初に浮かびました。
それでも、昔からの知り合いでお世話になっている方からのご依頼でしたし、お話をいただいたご縁を大切にしたいのと、せっかくのチャンスなのでいい経験になるかも!と思い、承ることにしました。

本案件を引き受けるに至ったブログを作成済ですので、ぜひこちらもご覧ください。

オンラインで授業を行うのは初めての試みでしたので、最初はオンラインの授業のやり方を模索する為、生徒に回答を求める授業はせず、挙手で正解/不正解を答えてもらう方法をやってみました。
結果的にこの方法はうまくいきまして、数回この方法で授業を行いました。

その後、私から一方通行で話すのは聞いてる方はおもしろくないと思い、途中から生徒の制作→発表を中心に授業をシフトしました。

オンライン授業は、PCのウェブカメラを通してお互いに授業を行う、ウェブ会議の授業版という感じになります。
その為、オンラインならではメリットとデメリットが分かりましたので、次の項目でお伝えしたいと思います。

生徒に伝えたかったこと

私自身、学校を卒業してから20数年経ちますが、「学生中に知っておきたかったな…」という内容を多く盛り込んだ授業にしました。

学生中に知っておいたら大きな価値があるという内容を、難しいとは思いながらも実際にやってみました。
先生にも相談してみたのですが、やってダメなら違う内容にしてみようと思ったのですが、結果的には生徒の皆さんがしっかりと応えてくれました。

どれだけすごいことを生徒ができているかを要約して説明すると、「前例のない企画やイベントをゼロの状態から集客や収益の推測を立てる計算ができる様になっている」授業で生徒がしっかりした内容の提出物が作れた!ということです。
私が学生中なら「こんなん分かるわけないやん」で終わらせてしまっていたことを、説き方や答えを導く方法を教えたことにより、生徒ができる様になったという事です。

学生のうちは気づかないものですが、学生の期間は非常に密度が濃く、この期間にどれだけ新しいことに挑戦できるかで、人生は大きく変わってくると思います。
その気づきは当の本人には分からないものなのですが、成長して社会人になったときに「あの時に教えてもらったことが役に立ってるな」と思ってもらえる様にしております。

オンライン授業のメリット

オンライン授業をやってみて思ったことは、「想像以上に難しいな😓」という印象で、今でもこの印象は変わっていません。
ただ、オンライン授業ならでのやりやすいと感じた部分も実際にありました。
授業の内容によってはオンラインでも十分可能ですし、やり方をしっかり変えればデメリットはある程度解消できると思いました。

全国どこでも授業ができる

これは生徒も講師にもメリットがありますね。
生徒は自宅にいながらでも授業ができる為、台風や大雨で来れない生徒にとっては助かりますし、精神的に大勢の中に入ることができない生徒にとっては混雑している電車に乗らなくてもいいし、都市部は人が多いので、精神的な生徒の負担は解消されので、生徒にとっても一部の生徒にはメリットがあります。

また、講師側にもメリットがありまして、実際に私は出張先のホテルからオンライン授業を行ったことが一度ありました。
学校に行って授業しないとダメ!という契約であれば、この時の出張はできませんでしたので、現場で働いている業界人にとってはありがたいシステムです。

資料の配布や画面共有がやりやすい

これはやってみてから気づいたことなのですが、オンライン授業だと資料共有は事前に印刷して配布するかオンラインでPDFやExcel資料を配布するかの2択になるのですが、印刷する手間とコストを考えればオンラインで資料共有したほうが圧倒的にラクで早いです。
オンライン授業だと、講師である私が画面共有で映して話を進めていけるので、一方的に話す分にはやりやすかったです。

また、Googleクラウドをうまく活用して、各生徒の発表分を同じExcelにまとめて各タブで管理をすることができるので、提出物の確認も非常にやりやすいと感じました。
生徒自身も、いつでも提出物を提出できるし修正することもできるので、生徒にとってもメリットがあると感じております。
結果的にこの方法は成功したと思っておりまして、今後も使える手法だなと勉強になりました。

オンライン授業のデメリット

オンライン授業は、やってみから初めて気づくデメリットがありました。
実際にやってみないと分からないもんですね…。
とはいえ、デメリットは工夫次第で解消できるとも思いましたので、詳しく項目を分けてお伝えします。

生徒の顔と名前が一致しにくい

ウェブカメラ上でしか顔が分からないので、生徒の顔を覚えるのが非常に難しかったです。
そもそも実際に会って授業をしていたとしても、一度で全員覚えるのは先生経験がない私の様な人間にとっては難しいと思います。
ちゃんとウェブカメラで映してくれている生徒は覚えやすかったのですが、ウェブカメラを映していない生徒の場合、顔が分からないので名前と一致することができませんでした。

また、常にマスクをしている生徒だと、ウェブカメラをしていても顔が半分以上見えないので、最後まで顔が覚えられませんでした。

前から薄々感じていたことなのですが、常にマスクをしている営業の方や業務で関わる方は、顔と名前が一致して覚えにくいのは私だけでしょうか?
印象にも残らないので、メールを打つ時でさえ名前が思い出せないので検索で名前や会社名を使えませんし、業務が終わるとすぐに忘れてしまうし、次に何かあっても顔も名前も忘れてしまっているので連絡ができず、違う人にお願いすることが何度もありました。
仕事をしていく上で常にマスクをしている人は、自分を売り込むことに失敗している様な気がしております。
…というのを、オンライン授業をやってみて改めて感じた次第でございます。

その為、できる限りウェブマイクはオンにして、マスクは外しても問題ない様でしたら外してもらったほうが、講師側にとっては授業がやりやすくなるのではないかと思います。
また、講師は最前線で働く先輩の様な方々ばっかりですので、そのまま卒業後に引っ張ってもらえる可能性を考えれば、自分の顔と名前を売り込むのに足を引っ張る様な行為は避けたほうがよい様に思います。

生徒がちゃんと授業を受けているのか分かりづらい

これもやってみてから気づいた点でした。

生徒がしゃべっていたら授業を受けているのが分かるのですが、ウェブカメラもマイクも切っていると、授業を受けているかどうかがさっぱり分かりません。
試しに何度か当ててみたりもしましたが、大半は返答なしの状態で時間の無駄になるのが分かったので、途中からウェブカメラもマイクも切っている生徒を当てるのを止めました。

結果的に、授業態度の印象が悪くなるので、お互いにとってもメリットがありませんので、ウェブカメラはつけておいてもらいたかったなと思います。

生徒との会話がやりづらい

実際に対面で授業を行う場合、会話のキャッチボールがお互いに即座にやり合えるので、回答の時間を待つようなことはしなくて済むのですが、生徒側に回答を求めた場合、マイクのオンをするまでに時間がかかったりする無駄な時間が生まれました。
この無駄な時間を他の生徒も付き合うことになるので、この無駄はできる限り削減できるかがオンライン授業のポイントになるなと思いました。

とはいえ、生徒も途中から慣れてきてましたので、無駄な回答待ちの時間がかなり削減でき会話のキャッチボールも対面と変わらない様にまでなりましたので、時間と経験が解決してくれる問題だと感じました。

やる気のある生徒とやる気のない生徒が分かりづらい

元々やる気がないのか私の授業がおもしろくなかったのかは分かりませんが、やる気のある生徒とやる気のない生徒の見分け方が最初できませんでした。

しかし、回を重ねるにつれて分かってきたことなのですが、やる気のある生徒は毎回授業に出席して提出物もしっかり作り込めていたのに対し、やる気のない生徒は途中から学校に来なくなり提出物も出さなくなってきたりしました。
その為、半分も立たないうちにはっきり分かる様になりました。

後から聞いた話なのですが、私の授業は意外と人気がある様でして、平均70~80%ちかくの生徒が出席しており、出席率はいいほうだと聞きました。
実際に業界で働いているのと、年齢がご両親と同じかそれ以上であり、少し難しい内容で、少し厳しめなのがよかったみたいです。

eSportsビジネスで教えた内容

私の授業では、主に以下の2つの点を意識しながら進めました。

・eSportsをビジネスとして活かすにはどうすべきか?
・eSportsの会社に就職した後に仕事できる様になるにはどうすべきか?

eSportsの会社に就職した場合や、どこかのeSportsチームに選手として加盟した場合、その時点から1人の社会人として業務を遂行することになります。
その際に、学生気分で仕事をしている様ではダメですし、社会人の一員である自覚を持たなければなりません。

1番大事にして何度も教えた内容

仕事をしていく上で最も大事なことが、「たくさんの人が動いているから今の仕事がある」「たくさんの人の助けがあるから今の自分の仕事ができる」ということです。
仕事をしているだけでは中々気づきにくいことを学生の段階で強く教えています。
この芯の部分に気づけない、忘れてしまうと、まわりの人からそっぽを向かれて、味方が消えていってしまいます。

また、「常日頃から自分から率先して勉強していく姿勢」「新しいことにチャレンジする姿勢」についても、年間を通して教えてきたつもりです。
まだ19~19歳という年齢で、挑戦の仕方も分からず自分の得意分野も分からない様な状態です。
新しいことにチャレンジするにしても、チャレンジの仕方が分からない年齢です。
そのため、チャレンジの仕方を教え、やってみたら道が開ける方法をいくつか年間授業を通して教えてきました。

そして、学生中でもできる活動の方法とアドバイスを交えて、授業の一環として実践を試す場として発表する機会を作りました。
最初のうちは、「こんなことオレにできるのかな…?」と思っていたことが「実際に自分でもできた!」という成功体験を感じ取ってもらい、授業を受けた数人でもいいから、学生中に自分の活動の一環としてアクションを起こしてほしいという願いを込めて、授業を行いました。
卒業を待つ必要はありません。
というより、在学中にどれだけ活動ができるか?が同級生を追い抜くチャンスです。

eSportsに関する法律

eSports業界には、間違えると法律の観点から大きなダメージを負うことがあります。
ダメージを負う前に、生徒にはeSportsに関わる法律の話を、1番最初の授業で行いました。

・名誉棄損罪
・侮辱罪
・肖像権
・未成年飲酒喫煙法
・刑法賭博罪
・景品表示法
・風営適正法
・知的財産権
・著作権

軽く挙げただけでもこれだけあります。
自分が知らないうちに法律を犯してしまっていると、将来の就職の道が閉ざされかねない為、どこからがダメでどこからがセーフ、という基準を例題を用いながら説明をしました。

eSports業界に関する情報

まだ成長しきっていないeSports業界ではありますが、既にたくさんの仕事が生まれています。
その仕事内容を知ることにより、「こういう仕事もあるんだ」「この仕事おもしろそう!」「こっちの世界もありだな」と気づきの機会にしてあげたいと思い、授業に取り上げました。

他にも、日本のeSportsチームやイベントなども取り上げたり、イベント立案~開催までの方法で授業したりと、いろんな授業の内容があることを伝えました。

その他さまざまな授業を行いましたが、オリジナルの部分がかなりありますので、この場では㊙とさせていただきます。

eSports授業や講師のご依頼承っております

2024年4月からは、1校だけ試しに承ったのですが、2025年4月以降は3校まで年間授業引き受けようかなと思っております。
枠はあと1校だけ残っておりますので、条件合えばになりますが先着順になります。

通年を通しての講師のご依頼も承っておりますし、1回のみ特別講師も承っております。

また、その他講義もできる限り承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
皆様からのご連絡お待ちしております!

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