液晶ディスプレイのスピーカーはなぜ音が悪いのか?元メーカー担当者が選ぶオススメ外付けPC用スピーカーはこれだ!

先日、PC関係者の知人と雑談をしているときに、
「液晶ディスプレイのスピーカーってホント音悪くて使えないよね。でもスピーカーがなくなったら困るけど、でも実際使うと音量も小さいから、結局は使えないよね」
という会話になりました。

元液晶ディスプレイの日本市場ブランド責任者を経験した私にとっては、この問題は「痛いところついてくるな~」と思ったのが最初の感想なのですが、PC関係の人でもこの様に感じているという事は、一般の方々はもっと感じているのだろうなと思い、今回は液晶ディスプレイのスピーカーについて詳しく解説してみたいと思います。

スピーカーはどこについているの?

スピーカーの取り付け位置は大きく2か所に分かれるのですが、1つは液晶ディスプレイ本体の下部に下向きに取り付ける場合があります。
もう1つは、液晶ディスプレイ本体背面の上部に上向きに取り付ける場合があります。

どちらかというと液晶ディスプレイ本体の下部に取り付ける場合のほうが多い傾向にありますが、どちらも音質に大きな違いはなく、設計上の観点からスピーカー取り付け位置は決まったりしています。

基本的にはスピーカーを左右2か所に取り付けて、ステレオサウンドになる様にしている為、1.5W×2や3W+3Wの様な表記になるのですが、どちらもスピーカー2か所のステレオサウンドが出せる、という意味で違いはありません。

↑PC用ディスプレイ前面イメージイラスト

液晶ディスプレイには必ずスピーカーはついてるの?

一般的に液晶ディスプレイにはスピーカーあり/なしのモデルがあり、スピーカーなしの製品が今でも流通しており、特に珍しくもありません。

なぜスピーカーなしの製品が今でも流通しているのか?
それは、「スピーカーの重要性があまりない」からなんです。

なぜ、スピーカーなしの製品が存在するのか?

「え?スピーカーがついてるほうがいいに決まってるんだから、普通に考えたらスピーカーありの製品が増えていって当然でしょ?」と思われがちで、確かにご指摘の通りなのですが、液晶ディスプレイに取り付けることができるスピーカーは1.5W、2W、3W出力のスピーカーが比較的多く、お世辞にも音量は大きくもなく、また音質がよいとは言えない存在なのです。

① 1.5W、2W、3Wのスピーカーをつける
   ↓
② 音が小さく聞こえにくい、音質があまりよくない
   ↓
③ 低評価の原因になる
   ↓
④ スピーカーをつけない製品が生まれる
   ↓
⑤ しかしスピーカーありの製品のほうが好まれる
   ↓
⑥ ①に戻る

このループをずっと繰り返しているのが液晶ディスプレイ業界なのです
その為、スピーカーに余程の画期的な音質アップがない限り、今後もスピーカーなしの製品が一定数生まれることになります。

なぜ液晶ディスプレイのスピーカーの音質はよくないのか?

スピーカーの音質を決める大きな理由は2つあります。
正確にはスピーカーそのものの質を上げるという方法もありますが、液晶ディスプレイに採用されるスピーカーには、高品質スピーカーという部材そのものが開発されていない為、ここでは除外します。

スピーカーの設置場所が小さい

まず1つめの理由として、液晶ディスプレイに取り付けるスピーカーはかなり小さく、縦1cm×横3cmぐらいの大きさしかなく、厚みも数mmしかありません。
理由は、液晶ディスプレイにこれ以上大きなスピーカーを設置する場所がなく、厚みを増やすこともできない為、音量を上げることができないのが1番の理由になっております。
その為、3W止まりの製品が大半で、出力パワーを大きくできないんですね。
スピーカーサイズが小さい為、パワーが足りないことが原因で、音質をよくすることもできないのです。

一般的に、スピーカーサイズを大きくすればするほど出力パワーも上がり、音質も比例してよくなります。
通常のテレビのスピーカーは、7Wや10Wの様な出力サイズの製品が多く、液晶モニターの2~3倍の大きさのスピーカーを搭載しております。

スピーカーが空中に浮いているから

2つ目の理由として、地面や机の上の様な振動を吸収する場所に置かない為、スカスカな音になってしまうのが理由としてあります。
スピーカーの音質を上げるコツとして、振動を吸収する地面や机の上の様な場所に置くだけで中低音がしっかりと鳴る様になり、音質が各段にアップします

しかし、スピーカーを空中に浮かせると、中低音の安定性がなくなる為、スカスカの音になってします。
その為、液晶ディスプレイのスピーカーは振動を吸収する様な場所に設置していない為、どうしても音質を上げることができなくなってしまいます

過去に、液晶ディスプレイスタンドにスピーカーを搭載した製品が発売されたケースがありました。
スタンド部分にスピーカーを搭載したおかげで重低音はしっかり鳴る様になり、音質は各段にアップしたのですが、それでもスピーカー単品で販売されている製品のほうが音質はよく、スピーカーのよさでPRしても音質で比較されてしまい、市場拡大にはつながらず、未だにスピーカーの音質にこだわった液晶ディスプレイが拡大しておりません。

さらに、スタンド部分にスピーカーを搭載すると、今度はスタンドを外すことができなくなる為、モニターアームを取り付けることができず、モニターアーム愛用者からは購入の候補から外れてしまう為、スタンドにスピーカー搭載する製品が拡大しなかった理由になっております。

そうなると、結果的にスピーカーにこだわる製品が販売しづらくなってしまい、これだけ液晶ディスプレイが進化してもスピーカーだけが進化せず、今も昔も変わらなかったりするんですね。

結局、液晶ディスプレイについているスピーカーは使えるの?

結論から言うと、使えます
静かな場所で音を鳴らすと、しっかりと聞こえます。

しかし、液晶ディスプレイ背面に空間があると音が反射せずに音が抜けていってしまう為、音量を最大にしても聞こえにくかったりします
また、音質はお世辞にもいいとは言えない為、音を判断するだけなら特に問題ありませんが、音楽鑑賞の様な音質を重視する場合は外付けスピーカーを別途ご用意いただいたほうがよろしいかと思います。

その際は、HDMI端子またはオーディオ端子で接続をしてください。

今後はスピーカーの性能はアップするのか?

これは私の推測になるのですが、スピーカーの性能アップは今後もほぼ起こらないと読んでいます。
ひょっとしたら画期的な超小型スピーカーが開発されて液晶ディスプレイにも採用される様になれば、音質・音量ともにパワーアップすることはあるかもしれませんが、仮にそうなった場合、コストアップは避けられない為、今後もスピーカーの性能アップは期待薄だと推測しております。

仮に音質が各段にアップしたとしても、音の世界は好みの差が激しい為、この音質アップがそのままご購入の理由にならない可能性が高くなります。
そうなると、ただ本体価格が高いだけになってしまう為、むしろ高品質のスピーカーを搭載したことが原因で、購入から避けられる理由になってしまいかねません

その為、スピーカーの開発の優先順位は相当下の方になってしまい、昔からほぼ進化することなく現在に至ります。
本当は、私の推測を大きく裏切ってスピーカーの性能大幅アップをしてほしいと願っておりますので、どこかのタイミングで液晶モニターのスピーカーも進化していってほしいですね。

オススメPC用外付けゲーミングスピーカーはこれだ!

私自身、自宅ではゲーミングスピ-カーを使用しており、ウーファーつき2.1chのスピーカーを使用しておりますが、音の迫力は断然違います!
音の迫力で悩んでいる方、もっとPC体験を充実させたい方は、ぜひスピーカーにもこだわってほしいところです。

電源タイプ

販売価格5,000円以下

■【Amazon.co.jp限定】ロジクール PCスピーカー パソコン用 Z150BK ブラック ステレオ 2ch コンパクト 3.5mm入力対応 PC スピーカー 国内正規品 2年間メーカー保証

マウスやキーボードなどPCデバイスで有名なロジクール社より発売中のPC用スピーカーです。
オーディオ端子のみとなりますが、全面にヘッドフォン端子がありますので、スピーカー音使用/ヘッドフォン使用がすぐに切り替えれるのがいいですね。
スピーカー出力量が3W+3Wとやや小さめではありますが、大きな音を出さない方ならこれくらいでも十分な音量ですので、有名メーカーで安心して使いたい方にはオススメかと思います。

販売価格5,000~10,000円

■【Amazon.co.jp限定】ロジクール PC スピーカー Z313 ステレオ ブラック 2.1ch サブウーファー 付属 3.5mm 入力対応 パソコン用 PCスピーカー 国内正規品 2年間無償保証

ロジクール社のAmazon限定モデルです。
この価格でサブウーファーがついてくるのはかなりお買い得ですね!
+5,000円少々を追加するとBluetoothでワイヤレススピーカーとして使用できるレシーバーを購入できます。
出力は25W、サブウーファーは15Wありますので、音量は十分ですね。
低音はサブウーファーがあるので心地よい低音が決めますし、中音と高音のバランスもよく、音質を求める方にも価格以上の価値を感じてもらえると思います。
接続はオーディオ端子を使用します。

販売価格10,000~20,000円

■Razer Leviathan サブウーハー付デジタルサウンドバー 【日本正規代理店保証品】 RZ05-01260100-R3A1 ブラック

Leviathan V2 Xのサブウーファーつきの上位モデルです。
サブウーファーがつくと重低音の迫力が圧倒的に変わる為、置き場所が確保できる方はぜひご検討いただきたいモデルです。
出力レベルは15W+15Wありますので、PC用スピーカーとしては十分すぎるパワーがあります。
5.1chサラウンドを楽しむことができ、さらにゲーム、音楽、映画の3モードから切り替えて音を楽しむ事ができます。
その代わり、こちらのモデルはUSB Type-C接続ではなくオーディオ端子の使用となり、ACコンセントでの電力確保となりますので、購入の際はご注意ください。

販売価格20,000円以上

■「EDIFIER直営店」Edifier R1850DB ブックシェルフスピーカー pcスピーカー サブウーファー搭載 70W Bluetooth5.1 木製 モニタースピーカー アクティブ スピーカー リモコン付き アンプ内蔵 AUX/RCA/光入力 RMS PC/テレビ用 2台1組 黒

スピーカーメーカーで人気のEDIFIERからのオススメモデルのご紹介です。
弊社代表もEDIFIER社のスピーカーを愛用しておりますが、コスパのよい製品で非常に気に入っております。
その中でも、大出力の上位モデルとなる本製品は、15Wx2(トゥイーター)+ 18Wx2(ミッドベースドライバー)の合計70Wを超える大型出力を備えておりますので、小型サイズながらも大迫力サウンドを楽しむことができます。
また、Bluetooth 5.1を搭載している為、スマホやタブレットと接続することももちろん可能です。
ワイヤレスリモコン付属、付属ケーブルも充実しており、メリットを挙げればキリがないほどの充実したモデルですので、音質にうるさい音楽好きの方はぜひご検討いただきたいモデルです。

USBタイプ(バスパワー)

販売価格5,000円以下

■Creative Pebble V2 USB Type-C給電採用アクティブ スピーカー 8W RMS ピーク出力16W パワフル出力 45°上向きドライバー 重低音 パッシブ ドライバー SP-PBLV2-BK

PC用スピーカーで有名なCreative社からエントリーモデルのご紹介です。
PCとUSB Type-Cケーブル1本つなぐだけで使用できるお手軽さがいいですね。
出力レベルも8W+8Wある為、大きな音を出さない方は十分なレベルです。
‎奥行き11.6cm x 幅11.5cm x 高さ12.2cmと小さなサイズが置き場所を選ばないのと、何よりこのかわいらしいデザインがPCまわりを明るく楽しくさせてくれますね。
初めてPCスピーカーを買う方、あまり予算をかけられない方にはベストチョイスと言えるでしょう。

販売価格5,000~10,000円

■オーディオテクニカ AT-SP105

日本のメーカーのほうが安心という方には、オーディオテクニカ社から発売されているこちらのモデルがオススメです。
PCとUSB端子を1本接続するだけで電源も音も使える様になるお手軽さがポイントです。
USB端子のほかにオーディオ端子もついているのですが1点注意がありまして、オーディオ端子を用いて接続する場合は、USB端子がコンセント代わりとなる為、USB電源アダプターを別途購入する必要があるということです。
USBでしか接続しない方には特に問題はありませんが、オーディオ端子を使う方はご注意ください。

販売価格10,000~20,000円

■Razer レイザー Leviathan V2 X ゲーミング サウンドバー 単一スピーカー フルレンジドライバー搭載 USB Type-C Bluetooth 接続 Chroma RGB 対応 モバイルデバイス PC ノートPC リヴァイアサン ブイツー エックス 【日本正規代理店保証品】

ゲーミングマウスやゲーミングキーボードで人気のRazer社のサウンドバーをご紹介したいと思います。
左右にスピーカーを置くのではなく、全面に置くタイプとなりますので、液晶ディスプレイの下に置く様な設置方法となりますが、かなりコンパクトで設計で横幅40cmと短めである為、置き場所に困らないのがいいところですね。
写真のとおり、RGBに光らせる事ができるLEDライトが搭載されている為、雰囲気を出すことができるのもうれしいポイントです。
接続方法ですが、USB Type-Cケーブル1本をPCにつなげるたけでOKと、シンプルで分かりやすくでいいですね。
さらに、Bluetoohにも対応しているので、スマホやタブレットにつないで音を出すこともできます。
肝心の出力レベルですが、最大90dB(1mの視聴距離時)とW数での表記ではありませんが、90dBというとゲームセンターやカラオケルーム内と同レベルとなる為、音量は十分と言えます。
(※出力機器の供給電力によって異なります。)

販売価格20,000円以上

■FOSTEX アクティブスピーカー PM0.3BD ペア Bluetooth/USB/AUX接続対応

DJ機器やDTM関連製品で有名なFOSTEX社からハイエンドモデルのご紹介です。
元々、PCで音楽を制作するクリエイターをターゲットとして発売しているモデルの為、細かいニュアンスも再現できる超高音質が最大の特徴です。
15W+15WとPC用では十分すぎるほどの音量ですが、本製品は大迫力で音を楽しむというより、とにかく高音質でキレイな音が聞きたい方向けのモデルです。
MUSIC/VOICEモードの切り替えが可能、接続方法はUSB端子の他にオーディオ端子とBluetoothがある為、PC以外の接続にも対応しております。
USB接続の場合、本製品のレベルになると給電能力が足りなくなるのでしょうね、AC電源ケーブルを使う必要がありますので、コンセント場所の確保が必要になります。
ぜひ本製品を用いて、映画を観たりゲームをして超高音質を味わってください!

まとめ

以上、PC用スピーカーについて解説しました。
できればもっと詳しく説明をしたいのですが、上記の量×3倍ほどの説明となってしまう為、割愛して説明しました。

まとめると、以下の様に要約できます。
・サウンドに予算をかけたくない方は、スピーカーつきPCディスプレイを購入しましょう!
・外付けスピーカーで使いやすさや接続が簡単なものが欲しい方は、ケーブル1本挿すだけでOKなUSBタイプがおすすめ
・外付けスピーカーを用いてゲームや映画で楽しみたい方は、サブウーファーつきモデルがおすすめ
・置き場所があまりない方はサウンドバータイプがおすすめ
・クセのない音を楽しみたいかたはEDIFIERやFOSTEXがおすすめ

今後は、定期的にPC関連製品の紹介をどんどんしていきたいと思っておりますので、次回もお楽しみに!